警察系のスクール講師や用品ショップ系、バイク販売店系、バイクメーカー系などのレッスンのほかに私個人として5年やってきたRAS(ライディング・アート・スクール）、そしてRASを経て、現在のKRS（柏秀樹ライディングスクール）となってすでに5年が経過し、KRSだけでも開催数はお陰様で600回近くになりました。

その間、実に多くの方が受講してくれました。受講生の年齢は実に幅広く10代から70代まで。受講がわずか1回きりの方がいれば10回以上、50回ほどの方も、100回さらには200回以上受講された方もいます。実にいろいろです。バイクが心底好きな方とレッスンができることで、本当にやり甲斐を感じていますが、バイクがいくら好きでも仕事や家族の都合などで講習に来れなくなる受講生も少なくありません。

最近こんなことがありました。10年近く通ってくれたある受講生が、九州の実家に帰っていったのです。60歳で仕事の区切りがついたことと、老いた両親の介護のためだそうです。その方とはスクールではいろいろなライディングのアドバイスをしながら、ツーリングにあちこち行って楽しい思い出がいっぱいできました。彼が帰ると聞いて、本当に辛く、涙がポロポロと止まらなくなりました。もちろん彼の前ではそんな顔は見せられませんでしたけど。出会いがあれば、いつかは別れの時が来る。わかっているけれど、やはり辛い。

両親の介護は、しばらく精神的にも大変だろうけれど、彼はきっと再びバイクで気持ち良く走り出すに違いない。今は、そんな風に思っています。そして私がいつか彼を訪問して、二人で一緒に九州のやまなみを存分に駆け抜けてみたいと思いました。

そのためには、やっぱりいつまでも元気でいなければ。
そんな風に思う5月の半ばです。