柏 秀樹 OFFICIAL BLOG
ヒデキの部屋
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ひとりごと…
柏流:戦争と平和
終戦記念日の翌日に友人から写真付きのメールを頂いて、さっそく返答させていただいた。友人のお父様は他界されているが、そのお父様の同級生が今回の大地震の津波でアルバムを喪失したので、当時の写真があったら送って欲しいということで探し当てたのがこの写真。この写真を見て、さっそく私にメールをくれて、返答を書いたという次第。その友人に送った内容は以下の通り(一分割愛しています)。
お父様の写真、有り難うございました。
凄いものを見せていただきました。これが江ノ島あたりとは!相当なガタガタ道ですね。乗っていらっしゃるのは中日本重工業:いわゆる三菱シルバーピジョンの1951年型あたりでしょうか。きっとそのあたりと思います。エンジンは強制空冷4サイクル単気筒150ccで3馬力。当時の価格は15万円以上。ホイールは4.00-8インチあたり。当初は軍用機の尾輪がベースでしたが、すでにこの頃はスクーター専用ホイールになったと思います。
三菱はシルバーピジョン。富士はラビット。ともに戦後を迎え、平和をイメージする名前にしたこと。しかも「ヴェスパ」で有名なイタリアのピアッジオ社も飛行機の会社だったので敗戦後の活路を求めてモノコックボディのスクーターを作り始めた。いずれも平和利用が目的ですが、その母体が軍需産業というのはなかなか深いですね。
富士はインプレッサなど4WDでWRC。三菱は同じく4WDでパリダカを戦った。飛行機も作るし、クルマ作りという路線も同じ。早くから二輪車部門を撤退したのも同じ。富士と三菱を撤退させた理由のひとつはホンダ・スーパーカブ。軽くて速くて低燃費で壊れず安い。前後輪17インチだから当時のこんな酷道もスクーターより断然走りやすかった。そのホンダはスーパーカブの世界的成功でマン島TTレースを皮切りに世界GPへ参戦し、クルマ部門にも参入したし、今ではジェット機まで作っている。ホンダは4輪でWRCもパリダカもやらずF1はやった。
なんだか因縁のようで運命みたいな。それぞれが今なおライバルでもあるし、また違う道へ進む可能性も多分にある。人も企業もそうやって歴史を刻むのですね。
何はともあれ、戦争と交通事故死だけは人類がもっとも避けなければならないテーマだと思います。終戦記念日を迎えてそんなことを思いました。
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