柏 秀樹 OFFICIAL BLOG
ヒデキの部屋
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ひとりごと…
コーナリングの前にやるべきこと:その2
「水曜日はどうでしょう?」というフレーズが好きなので、ときどき水曜日もオンロードのスクールを開催している。で昨日の場合、普段は大型スーパースポーツ車に乗っている人が、セカンドバイクの250ccオフロード車で受講してくれた。オフ車はサスストロークが長いので前後の姿勢変化が大きく、軽量なので左右への挙動(動き)もシャープに反応する。ということはカーブ手前やコーナリング中の動作がすべて走り方に表れやすい。つまり、ごまかしが効かないともいえるし、絶対速度が高くなりにくいのでオンロード走行の練習にも適している。
その受講生は、私が提案した簡単で誰でもできるオーダーを、その通りにやらなかった。カーブ手前で少ししかスピードを落とさなかったのだ。速度を落とさないと、合理的とは思えない走行ラインになったり、ふらついたり、ぎこちないライディングフォームなどになって表れる。転倒という事態を招く場合もある。そういった「あやふやで危ない」ことを10年乗っても10万キロ走っても積み重ねにはならない。余裕のない速度選択、根拠のない適当なギヤ選択、もっとも安全で練習にもなるはずの推奨走行ラインの無視、動いているつもりで動いていないフォーム(目線、上体、腕、下半身)などが「あやふやで危ない」走りとなって表れる。
ライディングスポーツとは無理なペースで飛ばすことではない。無理はハラハラ・ドキドキのスリルを生むだけだ。命はひとつしかないからそれは避けたい。むしろその逆に、「あやふやで危ない」ことを避けて具体的なテーマをひとつに絞って段取りよく、あるべき姿、やるべきことを意識化して「ゆっくり走れば」もっと合理的に上達過程が楽しめるのだ。乗り方が着実に進化していく過程を楽しむことが本来のライディングスポーツなのだから。簡単に言えば、飛ばさない方がバイクは早く上達するのだ。そのために「体」と「頭」と「適切な練習方法」の3つが重なるようにセルフチェックできるポイントを把握すること。それも走行前後の確認だけではなく、走っている時にリアルタイムで修正が効く練習・あるいは走りながら進化していくバイクとの接し方:そのまま退屈しない移動:それがルー大柴的に言えば「エニータイム・エニーウエアでニコニコ・ワクワクなランにジョイントする」のだ。バイクがアーダ、走りがコーダと悩む前に簡単なことを、焦らず着実に、サイエンスを用いて進めることだ。
その受講生は帰りの休憩時に「もっと謙虚に、ゆっくり、正確に走らないと」とテレ顔でポツリ。いい顔していた。
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