柏 秀樹 OFFICIAL BLOG
ヒデキの部屋
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ひとりごと…
レッスンプロのスタンス
人と人に相性があるように、人とバイクショップとの相性があるのかもしれない。個人的には気さくな店が好きなので、たまにぶらりと立ち寄るいくつかのバイクショップがある。立ち寄りやすいショップが良い店とは限らないけれど、値段だけで勝負する店を選ぶか、というと私は技術力や人柄で選びたい。トイレが綺麗というのも重要な要件だけどね。ともあれ技術力の高低なんて誰にもわかりにくい。少なくとも作業の内容明細があり、それがわかりやすく書かれている領収書が最低限必要だ。できればどの部品をどのような作業でと説明を求めたら快く、しかもわかりやすく、あるいは興味をそそるように説明してくれたら気持ち良く修理代を払うと思う。「フンフン、なるほどエンジンオイルってそんなに深い意味があるんだ」とか。店側もお客に信頼してもらおうという意欲が大切だけどね。安全についてもショップではスタンスが異なる。安全のための優れた用品の必要性を理解させる説得力があるか。あるいは安全のためのスクール受講を奨めるのか。ショップによっては店主自ら安全講習をお客様に提供するところもある。もちろんその内容もいろいろ。たとえばプロのライダーに依頼するために、その所定費用をショップ側が負担するという考えの店主もいる。この点について私の考え方はこうだ。受益者負担:つまり所定の費用を受講するお客様が人数分で割り勘にするのが良いのではないか。ひとつの例として人数が少なければ受講者が払うコストは高くなるが、その分、一人当たりの講習密度が高まるともいえる。否、講習密度が高くなければならない。実際に私はマンツーマンあるいは3名程度の少数限定で講習を依頼されたことがある。ともあれ安全のための考え方や具体的なノウハウは一種の知的な、それこそ減価償却どころか賢く成長できる、お客様の一生の財産になることだ。だからショップが負担することではないと思う。払った分だけ元を取り返そう、あるいは払った金額以上の価値を習得し、より高い次元を創造しようという意欲が生まれるようにするのがレッスンプロのお仕事だ。お店が講習費用を負担した場合、お客様は本気にならないで、適当に受講する例が見られる。お客様にきちんと、そしていつまでも安全にバイクライディングを続けてもらうために安全と楽しさの提案は欠かせない。バイク業界側から見れば、「いかに現在乗っているライダーを安全に楽しく乗っていただき、ずっと飽きさせないか」。つまり、いつまでも乗り続けていただく一種の「歩留まり」が大切なことのひとつではないかと思う。事故低減・楽しさの発見をお手伝いするライディングレッスンプロはつまり、バイクユーザーはもちろんバイク&用品ショップの強い味方だと思っていただけると嬉しい。
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