柏 秀樹 OFFICIAL BLOG
ヒデキの部屋

  • ひとりごと…

ライディング講習に学割の意味はあるか?

少しでも若い人にバイクの楽しさと危険性をちゃんと知っておいて欲しい。自分と世間を結ぶ交通社会というのものは一生避けて通れないからだ。そんな思いでKRSはこの4月から学生を対象に半額受講料を設定させていただいた。若い人は日本の財産だ。大切にしなければならない。バイクで怪我をしてはならない。バイクで死んではならない。バイクで人に怪我をさせてはならない。

学生さんはいつか社会に出る。それは日本国内だけではなく世界へ羽ばたくこともあるだろう。でも、3ない運動や受験勉強でバイクには縁がなかった大学生が、バイクに乗り始めたときこそ危険。自由を手に入れたまさに開放感を体いっぱいに味わった時こそ危険。あるいはスピード感覚・バランス感覚の良いときだからスイスイと走れてしまう時こそ危険。さらにバイク経験のない社会人となり海外出張命令などで外国に出たときに本当の危険の正体を知らないその時が危険。高齢者がこれからますます増える日本の自動車交通の中でなおさらバイクは危険。

危険・危険というとマイナスイメージになるではないか、などと業界関係者に叱られてしまうかもしれないが、危険であることは事実。だからこそ避けることのできないこの危険を、より早いうちから合理的な学習方法で危険を避けるタイミングや場所を確認し、自身の意識と技術レベルを高めておくべきと思う。それはきっとさまざまな形でその人の財産になるだろう。安全と知恵がその気になれば価値あるものになるし、安全はけっして退屈ではなく、そこにはたくさんのヒントが埋もれているし、多くが学べる。そしてきちんとバイクの特性を知ってクルマのハンドルを握ると、対バイクとの付き合い方、対クルマとの付き合い方がわかる。あるいは生身の体でバランスをとりながら走るバイクを知っておくと歩行者、自転車への配慮もできるようになる。安全装備でガードされたクルマの視点だけの安全学習では不十分でもあるのだ。

正直言って、バイク離れが著しく、クルマにも興味がない若い世代が多いと聞くから、KRSに一体どれくらいの学生さんが来てくれるか不明だ。それでも私はKRSが継続できるかぎり学生半額システムを続けていきたいと思う。以前に大学院生があしげくスクールに通ってくれ、その学生さんはメキメキと上達した。速く走ることよりも美しく楽しく走るノウハウを習得してくれた。プロの私がホレボレするぐらい華麗なコーナリングができるようになった。無理無駄ムラが取れて走りがとてもスムーズになった。危険環境を事前に避ける賢い乗り方も習得し、実践してくれるようにもなった。若い人はちゃんとやるとどんどん成長する。

ライディングスクールに何度も通うには費用がかかる。そのため彼は親からお金を借りてKRSへ来てくれたのだ。今は立派な社会人として、かの地で活躍している。そんなことも学割スタートに踏み切った理由のひとつだ。

ところで、大学生や専門学校生がKRSを受講したら任意保険の掛け金が10%割引!なんてことになったら嬉しいけど無理か。その昔、とある外資系保険会社からそんな打診があったけど、結局そのままだなあ。