柏 秀樹 OFFICIAL BLOG
ヒデキの部屋

  • ひとりごと…

DVDの「見方」、講習の「受け方」

私のライテクDVD1と2はお陰様で超ロングヒット作として今なお好調に推移しています。見ていただい方の安全と楽しさに少しでも貢献できれば、こんなに嬉しいことはありません。DVD3も編集が終わり次第登場すると思いますので期待してください。出版社側は春頃と言っていましたがもし夏になっても待ってください。で、待っていただく間にDVD1や2をしっかり見ていただきたいのです。新作DVD3はDVDの1か2をしっかりと見て、実践を繰り返した方こそ効果的に見ることができる内容になっているからです。登場するバイクが多少古くても新しくてもバイクが2輪である以上、ライテクの本質は変わらないのですから。

たとえばDVD1と2の基礎となる車体垂直での発進・加速・減速・停止をゆっくりの速度からどれだけ丁寧にできるか。それも「そんなのできる」なんて次元にとどまらないでください。たとえば直線だけではなくUターンでもブレーキでも「できる」にもレベルがあるのです。「やっとこさ」できる、「ときどき」できる、「スムーズ」にできるけどちょっとドキドキする、「スムーズで緊張もせずに」できる、さらに「どんなバイクでもいきなり一発で」できる、もっと上の次元にいたると「傾斜のきつい荒れた路面でも、初めて乗ったバイクで、しかも笑顔できる」ぐらいにたくさんの段階があります。そしてどんなに上手くなっても傲らない自分がそこにいて、これ見よがしに見せるためではなく、自分のスポーツライディングのための探求心として追い続ける。そんな人のためのDVDとして1と2を活用していただきたいのです。でも、私がもっとも望むのは「バイクを車庫から取り出すときに転びまくって、もうやめようか」などとへこんでいる人のためにこそDVDが有効でありたいのです。えてしてそんなDVDは地味で受けがよくないかもしれませんが、そんな大切な要素も盛り込んでDVD3を1と2の続編として完成させたいのです。ツーリング先でのより安全でスムーズなコーナー旋回に関するヒントも盛り込んでいますが、1から3まで全体を通して、バイクに乗って幸せになる。そのためのDVDによるテクニックの伝授なのです。速いから偉い、なんてのはまだ未熟。上手いから偉いなんてのもまだ未熟。どんな小さなバイクであっても古いバイクでも種類を問わず、笑顔で前向きな気持ちでいられる人が安全と楽しさのために真剣に取り組む練習姿勢こそが、まさに最高ではないかと思います。

能書きよりも、まず上手くなりたい。そんな一心で私のDVDを100回以上繰り返し見て、Uターン・走りの達人になった方もいます。技術だけでライディングが完成するわけではありませんが、ひとつの自信の目安になることは確かです。もう一度、ここに書かせていただきたいのです。ライディングにテクニックは不可欠です。心だけで安全に走れるわけがないし、技だけで走り通せるものでもない。まして根性・度胸・体力でバイクのポテンシャルを引き出すことはできない。

バイクって単純な構造なのに、それほど高度で人の知恵を求めるものなのです。

心技体が美しく調和して「智」を導き出すためにDVDを活用していただきたい。DVDは見るという「受動」ではなく、よ〜く見抜く「能動」でこそ価値が生まれます。要するにじっくり分析し科学してくださいってことです。でも、それ以上にスクールに来校して生の私を知っていただければ、きっとさまざまな経験にもとづいた考え方や個々の受講生の個性に応じた上達方法がお伝えできます。DVDの情報が10とすればスクールは1000や10000の価値になるようにしています。

上手くなってからスクールを受けようと思う方。それは逆です。自己流でやっているとかえって遠回り。危険な道。暗夜行路。五里霧中の世界になりやすいのです。一度ついた癖はなかなか直らないものです。特に派手に見えるテクニックよりも有効なテクニックは実のところ、とても地味なのものばかりです。でも、これを軽視すると進化はあるところでパタリと止まってしまうでしょう。

ライディングの癖がないと思っている方、実は人って「なくて七癖」。意外にあるもんなんです。もちろんKRSはスパルタンな講習はしていません。リラックス状態での講習こそ最善の結果になるからです。一方で、KRSでは上手な方のリピーター率も高いのです。何故か。それは受講生がそれぞれのレベルでバイクライディングにある真の安全とダイナミズムをより深く堪能したいという欲求に駆られているからです。ライディングを突き詰めていけば、他のスポーツや世の中のさまざまな事象と共通項があることを知り、そこに広く深い普遍性が見いだせ、知的好奇心まで満たされるからではないかと解釈しています。誰より速いとか上手いという比較などまったく眼中にないし、ビギナーの時のハラハラドキドキなどの不安とその解消法を知っているからこそ、ビギナーに優しいのではないかと思います。

バイクは速くなくても、上手くなくても安全・幸せになれるのです。そしてそんな方が受講されると、身をもって自分の着々と進む進化を強く実感されると思います。私自身まだまだ完璧ではありませんが、少しでも進化して、受講生の安全と楽しさのためにさまざまなバイクワールドをこつこつと提案していきたいと思っています。

DVD第3弾デビューを前にした、今の私の心境です。