柏 秀樹 OFFICIAL BLOG
ヒデキの部屋

  • ひとりごと…

書き初めは、一気に盛りだくさん:書きすぎかもね。

2010年も激変の年になりそうですが、さて皆様、年初はいかがお過ごしでしたでしょうか。私は久々に紅白歌合戦を見たり、年賀状を書いたりのパターンで、あとは初詣という暮らしをしていました。

昨年大晦日の二日前だったか、富士山の周辺で走りました。こんな寒い時期にバイクを走らせるなんて、危ないですよね。でも、2010年型のバイクがこの頃からデリバリされるので、新情報を流す雑誌としては仕方がないです。で、撮影場所も路面がキンキンに冷えているわけですから、そりゃもう車体を極力バンクさせないで走るわけです。はいそれも無理。やっぱり雑誌ですから少しは車体を傾斜させないと写真が没になっちゃう。シャッターチャンスを狙って一瞬だけバイクさせる、という具合にはいかないし。ここが大変なところなんです。ともあれ皆さん、こんな寒い時期のバンク角はくれぐれも控えめにしてね。タイヤの温まり加減と相談しながら穏やかに増やして行きましょう。それでも速度は控えめが鉄則。とりわけ峠道では事故がないようにしたいです。これが本当のジコ責任。はい。

どんな道でも、わずかでいいから速度を控え、余裕を残すことが真のテクニック、本当の勇気と思います。事故があまりにも多く、奥多摩周遊道路も一方通行化で伊豆スカイラインはひょっとしてバイク通行禁止になるかも、という非常に厳しい状況になっています。ビッグマシンの2010年1月号では巻頭ページにて、このことについて触れています。是非とも読んでね。クルマを抜くときも左右から同時にカーブで無理矢理抜き去るなど、重大事故多発だけではなくドライバーたちなどから多くの苦情も寄せられているようです。

ところで次のビッグマシン1月15日売りの2月号では、私のライテク理論を梶編集長が上手くまとめてくれています。受講生の皆様はもちろんですが、私のスクールでの骨格になる部分ですからスクールを受講されていない方も是非読んでください。

これを読んで「そんなのわかってるさ」「柏の走りぐらいならラクショー。ライテクには困っていない」などという方もいらっしゃるでしょう。しかし、上手な方もたまにはチェックされることをオススメします。「できる」ってことにもそれぞれの次元があるのですから。速度だけがテクニックのモノサシになるわけではないし、誰かのための自慢ではなく、一番素敵なことは豊かなバイクライフを自分のために送ることですよね。テクニックはそのための手段であって目的ではない。私も世界選手権で走ってきた方などあらゆる達人のお話しを積極的に聴き、実際のテクニックを吸収するようにしています。いつも謙虚でありたいし、これを糧にもっと上手くなって楽しくなり、その楽しさをKRSでお伝えしたいのですから。終着駅なんて言葉はバイク人生にはないわけです。道の駅はありますけど。私よりも上手な方、速い方も要は、たまに他人のこともちゃんと見て研究してみることが良いのでは、ということです。あ、押しつける気はありませんので、誤解なきように。どんなことでもそうですが、能動的な理解や行動で納得がそこにないかぎり、けっして自分のものにはなりませんよね。

で、10万キロに達した私のタイガー君のメンテナンス記事も、この号でわずかなスペースですが登場します。ハンドル部のグリップはそれなりに摩耗して「使用感」がたっぷり。新品パーツのピカピカもいいけれど、使い込んだ色や形も悪くないなあ。次は「めざせ20万キロ」ってところかな。

そういえば最新のモトナビではモトオブザイヤー(MOTY:モティなんていうのかな)が発表されました。R1が一番でした。これ予想通り。クロスプレーン型クランクシャフトの乗り味も含めて素晴らしいバイクです。私個人のイチオシは他の車両でしたが、いずれにしても高い評価を与えることと自分が欲しいバイク、好きなバイクというのは微妙に異なることもまた事実なんです。

高出力もいいけれど、それぞれのパーツが目にも鮮やかにキラキラして、それでいて全体の造形や色とバランスしていたり、あるいは手に触れたくなるような造形や色が出ていれば、基本的にいいですね。クルマやバイクを磨くのも大好きな僕としては、手や指先が自然に吸い込まれていく形状とフィニッシュで、何よりも鉄とアルミの触感が大切。うーん、まあ、人類の歴史でとりわけ鉄ほど長いお付き合いの金属ってないでしょう。プラスチックではどうにもかなわない世界。これって以前にも書いたことだけどね。今売っているバイクやこれから出てくる空冷系のバイクはとりわけこれを大切にして欲しいなあ。

はい、オーディオでもLPレコードをターンテーブルに載せて、ゆっくり回り始めたところにレコード針を自分の手でゆっくり運び、ぶれずに盤の上に降ろした瞬間に針が躍り出す。このときの、あのブルるンとくる緊張感、そして同時にわずかな時間のスクラッチノイズが流れ、そして曲が流れ始める。これがビートルズでもビージーズでもビーズでも八代亜紀でも倉木麻衣でもジョン・コルトレーンでも何でも良いんです。大好きな曲が流れたら、うーん、バイクと一緒、た〜まりませんね。

おっと、「風まかせ」というバイク雑誌の最新号ナンバー20号では衆議院議員の内山晃さんとの鼎談でバイク界に関わる諸問題や私のバイクカタログコレクション(70年代末期から90年代中期)の一部とその解説、そして喜怒哀楽の巻頭コラムではタイのチェンマイで感じたことなども書きました。よろしければ読んでみてください。

寅年。つまり、本年はタイガーの年です。私のタイガーの後席に乗ると御利益があるかも。

2010年が皆様にとりまして、素敵な年となりますように。