柏 秀樹 OFFICIAL BLOG
ヒデキの部屋
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ひとりごと…
常識の非常識
カーブで転倒したバイクがそのまま滑ってガードレールに直行。すると体を守ってくれるはずのガードレールが凶器になって死亡というケースがあることを以前にも書いた。ガードレールのレールは下部の空間が大きくて、ライダーはガードレールに衝突せず、そのまま崖下などに直行するケースがあるだけではなく、レールを支える支柱に直接ぶつかるケースが少なくない。つまり、ガードレールが凶器となってしまうのだ。これで死亡した多くの事例を当局は本当にきちんと把握しているのだろうか。単純に「バイクがガードレールに激突、死亡」となるのだろうか。レールの下に潜り込まずにポールへ直撃しない構造、衝突エネルギーを吸収する構造のガードレールを次々に増やしているスペインを始めとした欧州ではこの対策が進んでいるというのに日本ではまったくやっていないのが現状だ。つまり、安全と思われているガードレールそのものが凶器になることは、ニッポンの常識、世界の非常識と言える。あるいは「常識の非常識」と言えるかもしれない。
で、今回の本題は「スロットル」だ。アクセルと一般に言う。バイクの場合はアクセルを手前に回すとエンジン回転が上がる。でも、これが真実で合理的かというと案外言えない。この構造が理由でビギナーがいきなりウイリーをしでかしたり、凄い加速で体が対応できず運転不能になってしまうケースが少なくない。加速で体が後ろに下がり、アクセルをますます開けてしまう構造になっているからだ。だから普通のバイクの逆の動きをするタイプも考えとしては有り得る。つまり、アクセルを前へ回すとエンジン回転が上がる、という逆転の発想もできるはずだ。これならビギナーが発進時にいきなりウイリーしたり、運転不能になることはない。ブレーキレバーを握るときにアクセルを開けてしまうというビギナーに多い事例もこれならなくなる。もちろん、世界中に出回っているバイクのアクセルを逆回転することは実務的に無理なことはわかっている。けれど、これによる事象と運転操作のあり方、練習の考え方としてはそれなりに意味があると思ってる。既存のものが正しい、あるいはベストとは限らないのだ。4輪バイクがなぜサムスロットル(右親指を押してエンジン回転を調整する)を採用するのか、これも加速やコーナリング時の骨格・筋力の使い方を考えれば答えは出てくる。常にモノの見方を変えれば、もっと良いものは作れるし、事故の発生件数やダメージは減らせる。そもそもブレーキペダルとチェンジペダルだって昔の英国車は逆パターンだった。これがダメという理論的根拠などない。かつての英国車がそのまま世界をリードしていたら右がチェンジペダル、左はブレーキペダルが世界の常識になっていたかもしれない。
「みんながそうやってきたから、そうやっているに過ぎない」。大半はそんなことで世の中は動いているのだろう。常識は真実とは異なる。そのままで良い常識とそのままでは不便な常識というものがある。これもまた真実というものだろうか。
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