柏 秀樹 OFFICIAL BLOG
ヒデキの部屋
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ひとりごと…
かっしーの名でミクシィのブログで書いたFAのこと。
昨日はKRSというライディングスクールの一環としてやっているFAを開催した。
FAとはファースト・エイドのことだ。日本のFAはとても遅れていて、傷病者が助かる確率が先進国の中でも低いといわれている。クルマにはアクティブセーフティと呼ばれるぶつからないための技術:1次安全があり、ぶつかった後の安全確保となるパッシブセーフティと呼ぶ2次安全がある。この2つは機械技術として凄く進化しているので実際に死亡者数低減に貢献している。なのに事故発生件数は減っていない。1次・2次安全技術の進化の分だけ、人は機械進化に依存し、自分の注意力低下や技術力低下を認識しなくなっていくのかもしれない。もちろん1次と2次の安全技術だけでは不十分で、事故発生直後の当事者や周辺の人がどのようにアクションするか、という2次災害防止のための危険回避行動や傷病者を救済するトレーニングが欠かせない。これを3次安全と考える。現場の対策を機械がやってくれるわけではないから、やはり最後は人間が登場すると言うことだ。その一つとして非常に重要なFAがあると考えたい。
で、このFA学習による効用は、実のところ0次安全に大きく貢献すると考える。0次安全は、1次や2次さえあれば「大丈夫!」というとんでもない錯覚を生まないための必須概念だ。
0次安全は、FAのトレーニングを受けることで人の命の重さをより強く実感し、そしていざという時の実行力を習得し、これによって「自分がなすべき運転」はという「走り出す前」の安全意識や合理的な危険回避行動がとれるようになることを意味する。たとえば危険のありかを早く認識する:つまりいち早く危険な場所やタイミングを避ける、といった正しく高度な安全運転につながる。そのためのトレーニングや意識化が効率よく行われるようになる。法を守るだけでは安全は確保できない、というリアルワールドを知って具体的に危険回避のための行動を実行することで真の安全運転となる。
いくら頭でわかっていても、現場に遭遇するとパニックになって何もできない、ということがよくある。人とはそういうモノだ。火事の防火訓練を受けてこそ、本当に冷静な消火活動に入るという勇気が生まれる。紙に書かれた消火方法を読んで、簡単に防火ができるはずがない。AEDがあるからFAを習う必要はない、という怖い考えになったらもっと危険。AEDでも注意すべきことはたくさんあるのだし、完璧ではないのだから。
体を使った訓練を受け、まずは、一呼吸置いてからあえてゆっくり正確に作業を進める。ベストな作業を望んでこそ、最善の結果が得られると信じたい。
だから、本来はFA講習を受けてからきちんとライディングテクニックを習得することが大切と思う。でも、バイクに乗りたい人がいるから乗せる技術・スピードを出す技術をまず教えてしまうのが現状で、本当の怖さをその時に教えていないから、スピードの魔力に取り憑かれてしまう。一方で制限速度を守る、ルールを守るから安全という誤解を持ってしまう人もいる。制限速度内でもシュアな操縦・深い読みができなければ安全にはけっしてならない。落とすべきところで落とし、流れに乗るところでは乗るという本質を知らないままに走り続けていることが多い。
わかっているつもりの安全は危険。できるつもりのFAはすぐに風化する。私が思うライディングスクールはテクニック習得が目的ではなく、「いつまでも安全に楽しく走り続ける」ためにある。テクニック習得は、幸せになるための一手段でしかない。大好きなバイクやクルマで加害者にも被害者にもなりたくないし、いざというときは誰かをFAで助けてあげられたらと思う。自分が事故の当事者になったときにきっとそう思うからだ。家族がもしもの時に何もできなかったら・・・あまりにも辛いだろう。でも、ストイックに、ナーバスに考える必要はないとも思う。FAは普段の生活の1つとして気軽に接するつもりでお墓に入るまで、1年に1回だけでいいから習っておきたい。そんな風に思った。ちなみに、アメリカは4歳からティーンエイジャーになる12歳までがもっとも重要な時期としてFA講習を効果的に実行している。
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